こんにちは!
IRIE CHALK WORKS 神田です。
今日はチョークアートにおける
”コーティング”
に関わるお話をしたいと思います。
わたしのブログを読んでくださっている方は
チョークアート経験者だと思います。
皆さんはチョークアートの仕上げにどんなコーティングを施していますか?
わたしは最後に触っても消えないよう
スプレーを吹きかけています。
わたしもそうですが、ご自身が習った教室で
「最後にこのスプレーかけますよ~」と
教わった通りに先生と同じものを
使用しているのではないでしょうか?
が、
これね。
教室によって使うスプレーの種類も本数も全然違うんですよね!
わたしも未知なる分野ではありますが
知っていることをお話していこうと思います。
チョークアートは消えない?
まず、黒板アートはチョークで描くため
触ったら消えてしまいます。
対してチョークアートはオイルパステルで描くため
触っても消えません。
ですが、
そのまま触ると絵も指も汚れます。笑
オイルパステルは
油絵具やアクリル絵具のような
接着剤が入っていないため
完全に固まることはありません。
つまり、完全に乾燥せず
多少べたつきが残ります。
何日か経過すれば表面が乾燥し、
軽く触ったくらいでは
絵が汚れてしまうことは無いかもしれません。
でも、力を入れて指でこすったりしたら
絵が汚れますし、絵が変わってしまいます。
特に気を付けたいのは
”黒”は少し触っただけでも周りに広がりやすいです。
チョークアートで黒のオイルパステルを
多用する人は多くないと思いますが、
大半の方が絵の仕上げ(クリーニング)で
ブラックペンシルを使用します。
誤って指でブラックペンシルで描いた部分を
引っ張ってしまったら…
黒い線がびーーーっと伸びて
絵についてしまうでしょう。
また、チョークアートは額に入れずにそのまま
壁やイーゼルに立てかけて飾ることも多いです。
わたしはお客様に対し、額に入れて飾る場合でも
前面のガラスやアクリル板を外して飾ることを
推奨しています。
これは光や照明の反射により、
絵が見えにくくなってしまうからです。
ガラスやアクリル板を外したり、
そのまま立てかけて飾っている場合、
徐々にボードに埃がつきますよね。
そんなときにハンディワイパーなどで
軽く掃除したいところですが、
コーティングしていない場合は
それも少し怖いです。
塗料について
チョークアートをコーティングするには
作品に塗料を塗布する必要があります。
では、少し塗料について勉強してみましょう。
塗料にはいくつかの役割があります。
- 対象物を保護する(守る)
塗料を塗ることで塗膜を貼り
対象物を周りの環境から守る。
- 対象物を保護する(守る)
- 対象物を装飾する(彩る)
対象物に色や模様をつけたり、
光沢をプラスして外観を美しく見せる。 - 対象物に機能を与える(性能を上げる)
塗料が持つ特性により、塗布することで
対象物に機能をプラスする。
例)防水性・耐熱性・防虫性など
- 対象物を装飾する(彩る)
塗料は以下の4つの成分で構成され、
各成分は役割に応じて様々な種類があります。
- 顔料(主に着色)
- 樹脂(種類により対候性が違う)
- 添加剤(塗料の性能を補う)
- 溶媒(樹脂を薄める液体)
塗料は液体ですが、
塗った後に塗膜として残るのが上記1〜3です。
4の溶媒(溶剤・シンナー・水など)が蒸発し、
塗料が乾燥すると
残った顔料や樹脂などの成分により
塗膜ができるわけです。
この塗膜によって絵を保護するわけです!
水性と油性の違い
塗料には大きく分けて
「水性」と「油性」があります。
さらに、塗料には
「スプレー塗料」と「液体塗料」
があります。
チョークアートをコーティングする際は
スプレー塗料の方が簡単でキレイに仕上がります。
- 水性塗料
水に溶かすことができますが、
乾燥後は耐水性を持つものが多いです。
臭いが少なく、乾燥も速いので
室内作業に向いています。
油性塗料との相性が悪く、油性塗料の
上から塗るとはじいてしまいます。
- 水性塗料
- 油性塗料
有機溶剤が含まれた塗料です。
強い塗膜を作るため、
耐水性・耐候性に優れています。
屋外使用のもの向きです。
有機溶剤にはシンナーなどが含まれるので、
人体への悪影響や可燃性がありますので
作業場所には注意が必要です。
- 油性塗料
- スプレー塗料
スプレー缶に入っており、刷毛ではなく
スプレーすることで塗布します。
乾燥が非常に速いので、薄く何度か
繰り返し塗るとキレイに仕上がります。
刷毛の跡を残さず簡単に均一に塗れます。
スプレー塗料の種類
では、チョークアートのコーティング加工はどのようにすればいいのでしょうか?
わたしは作品が完成したら
コーティングにスプレー塗料をかけます。
前述したように、
チョークアートは触ると汚れやすいので
塗料を刷毛やローラーで直接塗るのは
避けた方がよいでしょう。
また、刷毛やローラーでキレイに均一に
塗るのは少しコツがいる作業です。
スプレーは初心者でも扱いやすいです。
【スプレー塗料の種類】
塗料には大きく分けて「水性」と「油性」がある
と言いましたが、スプレー塗料には5種類あります。
- 水性
乾燥前は水性なので水拭きで落とせますが
乾燥後は耐水性・耐候性が高くなる。
臭いが少ないので室内作業ができる。
乾燥時間:40分程度 - 油性(アクリル)
耐候性・耐久性が高い。
乾燥後は耐水性で金属~木材まで幅広い素材に使える。
乾燥時間:1時間以上 - 油性(ウレタン)
熱に強いので自動車などの塗装に使用。
艶が出るので鏡面仕上げに向いている。
乾燥時間:2時間以上
※効果に時間がかかるので完全乾燥までに3日程度要する - 油性(ラッカー)
溶剤を揮発させることで乾燥すると耐久性が高い塗面を作る。
非常に乾燥が速く、作業性に優れている。
乾燥時間:20分程度 - 下地(プライマー)
素地の最初に塗るもの。
プラスチックは接着力を上げたり、金属には錆止めのために使用する。
上塗りするものの色ムラを防ぐ効果もあり。
乾燥時間:1時間以上
ラッカースプレーとは?
わたしが使用しているものは
油性のシリコンラッカースプレー1種類です。
ではラッカースプレーって何?
ということで、もう少しだけお勉強しましょう。笑
本来は合成樹脂塗料である
”アクリル塗料を使ったスプレー”も
速乾性が高いことから
「アクリルラッカースプレー」
と呼ばれています。
ラッカーの特長は乾燥時間が速く、
塗装面は光沢が出ます。
光沢を出すニスを使わなくても、
ラッカーだけで光沢を出せます。
ラッカーは本来透明ですが、顔料を加えた
カラースプレーもたくさんあります。
顔料を入れていないものは「クリアタイプ」で
「つやあり」と「つやなし」があります。
チョークアートでは
作品を保護するために使うので、
顔料が入っていない「クリアタイプ・つやなし」
を使用しましょう。
ただし、乾燥が早く薄付きのため
塗膜の強度は他の塗料と比べると劣るようです。
ホームセンターにはたくさんのラッカースプレーが
置いてありますが、全てが本来のラッカーである
ニトロセルロースではなく、アクリルラッカーや
水性ラッカーが多いです。
手に取ったスプレーの裏面にある商品説明に
品名「ラッカー」と表示されていれば
ニトロセルロースラッカーだそうです。
品名「アクリルラッカー」と表示されていれば
アクリルラッカーです。
水性ラッカーの場合は商品ラベルに
「水性」と表示されています。
水性でも乾燥後は耐水性があります。
水性は比較的安価で臭いもなく、
室内作業もできるので
チョークアートのコーティングに最適!
と言いたいところですが…実は違います。
重ね塗りの相性とは
ラッカーは他の油性塗料と比べて
使われている溶剤が非常に強力です。
そのため、下地に水性アクリルラッカーや
ウレタン塗料などが塗られていると、
それらの塗膜を溶かしてしまうのです。
塗料には重ね塗りできる相性というものがあります。
【水性塗料】
油性塗料の上に水性塗料を塗ることはできない。
油性塗料が水性塗料をはじいてしまう
【油性塗料】
水性塗料の上に油性塗料を塗ることは可能だが、
溶剤の相性によってはできないものある。
油性塗料の上に油性塗料を重ねることは可能だが、
接着力が弱まる場合がある。
【スプレー塗料】
基本的には下地が水性でも油性でも重ね塗りが可能。
ただし、下地が水性アクリルラッカーやウレタン塗料、
エナメルの場合はラッカースプレーとの相性が悪いので
塗装のはがれが起こる場合がある。
下地が水性アクリルラッカーの場合、重ね塗りできるのは
水性アクリルラッカーのみ。
塗料が水性か油性かによって、
重ね塗りの相性がありますが
これは画材にも言えることです。
チョークアートはオイルパステルを使用しており、
他にも油性の画材を使用する場合があります。
コーティングで水性ラッカースプレーを塗った場合
オイルパステルなどの油性画材が水性塗料を
はじいてしまう場合があります。
まとめ
さて、今回はコーティングにかかせない
塗料について簡単に解説しました。
チョークアートには
油性のラッカースプレーが良いと思います。
もしも水性ラッカースプレーを使っている方は、
しっかり乾燥させてから何度か重ね塗りすることを
おススメします!
かなり長文になってしまいましたが
我ながら
調べておいてよかった!
という内容になったかな?と思います。
チョークアートを習いたての頃、
ホームセンターのスプレー塗料の棚の前で
何を買ったら良いのか分からずに
呆然と立ちつくした日が懐かしいです。笑
しかし…
「わたしが使っているものはここにない」
と思った方もいるかもしれません。
今回は「塗料」について解説しましたが、
「定着材」はまた別のお話です。
定着材を使用している方も多いと思いますので、
次回は画材には欠かせない「定着材」について
解説したいと思います。
ではでは、今日はこのあたりで。
最後までお付き合いいただき
ありがとうございました★
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