定着剤と塗料どっちを使えばいい?

こんにちは!
IRIE CHALK WORKS 神田です。

 

チョークアートをコーティングするとき
なにを使ったらいいのか?


まず塗料については
以前の記事にまとめてあります!
スプレーにも各種あるので、
ぜひ参考にしてみてくださいね♪

 

ですが

 

そちらの記事を見ていただいても

あれ?わたしが使っているものが載ってないぞ?

と思った方もいるかもしれません。

 

そちらの記事ではあくまでも

「塗料」

について解説しました。

 

今回は「定着剤」についてお話したいと思います。

 

フィキサチフ

フィキサチーフとも呼ばれます

 

絵を描く人なら1度は聞いたことありませんか?
よく画材屋さんで見かけますよね。

こちらをコーティングに使用している方も
いるのではないでしょうか?

 

フィキサチフは絵画用の定着剤です。

今回は定着剤についてお話したいと思います!

 

定着剤ってなに?

 

まず、フィキサチフとはなんぞよ?
ということですが

 

鉛筆や木炭、パステルで紙やキャンバスに
絵を描いた場合、
紙への定着力が弱いので
粉落ちや褪色、
擦れなどの劣化が起きてしまいます。

 

そのような経年劣化を防ぐため、
紙への定着と作品保護のために使用するのが
定着剤です。

 

フィキサチフには

パステル用
パステル以外の画材用

の2種類があります。

パステル用には石油系溶媒+合成樹脂
パステル以外用はエタノール系溶媒+合成樹脂
が使われており、フィキサチフの成分が違います。

 

エタノール系溶媒はパステルの性質によって
変色してしまうことがあるので
パステル用は石油性溶剤になっています。

 

そのため、オイルパステルを保護する場合は必ず
パステル用フィキサチフ
の使用をオススメします。

 

そして、一つ気になる部分。

 

「パステル用」にオイルパステルも含まれるの?

 

パステルは粉状なので、
紙への定着という意味で
フィキサチフをかけるのは必須かと思います。

私はパステル画の経験がないので憶測ですが。

 

チョークアートの場合、
そもそも板に描いている、ということと
紙に描いても粉落ちはしないが、
ベタつきや擦れで汚れてしまう点から
コーティングが必須です。

 

わたしの感想にはなりますが、
パステル用フィキサチフはあくまでも
紙やキャンバスへのパステル定着用
という感じです。

 

チョークアートの場合は、
触っても消えたり汚れたりしないために保護する
という目的が1番だと思いますので、
チョークアートにフィキサチフを使用した場合の
コーティングという面では少し弱いと思います。
その理由については後に説明します。

 

そこで、もう一つ定着剤をご紹介します。

 

「クレヨンコート」

つや消しタイプ。 1本でA4サイズ45枚分らしい。

こちらもホルベインから出ている定着剤ですが
クレヨン・オイルパステル用保護スプレーです。

 

こちらはクレヨンやオイルパステルで描いた作品の
表面を保護するためのスプレーです。
ベタつきや作品の汚れを防ぎます。

 

 

 

おぉぉ。

これはとてもよいのでは?!
お値段が少々お高めですが。

 

ただし、

油性マーカーを使用した作品には使用しないでください

ホルベイン公式オンラインショップより

との注意書きがあるのでお気をつけください。

 

そこでこちらの2つの商品試してみました!

こちらはMDFにオイルパステルで描き、
パステル用フィキサチフでコーティングしたもの。
1度がけです。

 

つやなしで、仕上がりはキレイです。
臭いもラッカースプレーよりは優しい気がします。

 

ですが。

 

乾燥後に絵の表面を触ったら少しべたつきがありました。
指で触ったらオイルパステルが剝げてしまいました。

これではコーティングとしてはちょっと弱いかな~
と思いました。

 

そしてこちら。

クレヨンコートでコーティングしたもの。
スプレー1度がけです。

こちらもつやなしで仕上がりがキレイです。
クレヨンコートは少々石油の臭いが強かったです。

絵の表面はしっかり乾燥しており、
オイルパステルのべたつきはありません。


フィキサチフよりは強度がありますが、
指で強く触ったら剥げてしまいました。

 

うーーーん。残念。

何回か重ねてスプレーしたらよいのかもしれません。

ただ、1度がけでもしっかりスプレーしたので
1回でかなり中身が減った気がしました。

つまり、

すぐに使い切っちゃうな!!

と思いました。笑

 

クレヨンコートはお値段がお高めなので、
ラッカースプレーの方がコスパがよいと思います!

定着材とラッカースプレーの違い

 

では。

 

チョークアートを保護するためには

定着剤とラッカースプレー

どちらを使うべきか?

まず、この2つに関しては
そもそも使用目的が違います。

 

ラッカースプレーは絵画用ではないので、
使っている画材によっては
・相性が合わずにはじいてしまう、剥げてしまう
・後に変色してしまう
などといった事が起こる可能性があります。

 

定着剤は絵画用のスプレーですので、
変色や滲みなどは起こらないと思います。

ただし塗膜の強度は弱いです。

重ね塗りの回数を増やせばまた違うかもしれません。

 

例えばですが、
チョークアートがインテリアボードなどの
額に入れて室内で飾ることが目的だったなら、
クレヨンコートで十分だと思います。

その場合は、十分に表面を乾燥させないと
額のアクリル板やガラスにオイルパステルが
くっつくかもしれません。

 

また、看板やメニューボード、ウェルカムボードなど
屋外に置いたり、直射日光が当たる場所で使用する場合は
ラッカースプレーの方がいいと思います。

 

POINT定着剤は耐候性・耐水性など、ラッカースプレーに比べると弱いです。

 

わたしはこれまで10年以上
アクリルシリコンラッカースプレー(油性)
を使用していますが、これまでに
画材の変色は見られませんでした。

ですが、
使用する画材によっては
変色や剥がれの可能性がありますので、
まずは端材などで試してから使用しましょう。

 

紙に描いたらどうすればいい?

 

では、

 

オイルパステルでブラックボードではなく
紙に描いた場合のコーティングは
どうしたらよいのでしょうか?

 

通常通りラッカースプレーをかけるのは
あまりおススメしません。

 

紙は塗料を吸収してしまうので注意が必要です。

 

こちらは黒画用紙にオイルパステルで描いたもの。

パステル用フィキサチフをかけました。
スプレーは1度がけです。

MDFのときと比べると、べたつきは少ないです。


ですが、やはり指でこするとオイルパステルが
剥げてしまいました。

 

こちらも黒画用紙にオイルパステルで描き、
クレヨンコートでコーティングしたものです。
スプレーは1度がけです。

こちらは表面のべたつきはなく、
触ってもオイルパステルは剥げませんでした。


ただ、指にはうっすらとオイルパステルが付着したので
ゴシゴシ強くこすると剥げると思います。

 

ということで、

紙に描いた作品の場合は
定着剤のクレヨンコートがよいでしょう。
2度塗りくらいの重ねがけをおススメします。

 

もし、定着剤がない場合は、
ラッカースプレーを軽~くかけるとよいです。

わたしは画用紙にも
シリコンラッカースプレーを軽くかけたことが
ありますが問題はありませんでした。

 

逆に、パステル以外用のフィキサチフを
紙にオイルパステルで描いた作品に
かけたこともあります。
これはやめたほうがいいです。

オイルパステルの部分だけ
ツヤツヤに光ってしまいました!

 

また、
ウレタン塗料は完全乾燥までに時間がかかるので
紙に使用するのはやめておいた方がいいでしょう

 

まとめ

 

さて、今回は定着剤についてお話しました。

 

チョークアート作品のコーティングに
定着剤を使うのか、塗料を使うのかは
各自の判断によると思います。

 

その作品の使用目的によって
使い分けてもいいかもしれません。

直射日光の当たらない室内に額に入れて飾る場合は
定着剤だけでも十分かと思います。

※アクリル板にくっつく可能性があるので、
完全乾燥してから額に入れましょう。

 

また、使用している画材との相性もあると思います。

チョークアートでは、オイルパステルの他にも
水性・油性、様々な画材を使用することがあります。

 

それぞれの相性は使ってみないと分からないですが
ラッカー塗料は強い塗料なので、
水性画材は要注意です。
日頃から色々試してみるとよいですね。

 

いざ、大切な作品をコーティングしたら大失敗!
なんてことにならないよう、
実験や情報収集は大切です。

 

ではでは、今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただき
ありがとうございました~!

 

神田 奈津江

神田 奈津江

チョークアーティスト&白墨堂大宮校 講師。幼い頃からお絵描きが大好きだったこともあり、子育て中に出会ったチョークアートに魅了され、第2子出産後”チョークアートの白墨堂”で学び始める。2014年プロ資格を取得しオーダー制作を始め、2017年ティーチャー資格を取得し”チョークアートの白墨堂 大宮校”の講師となる。【カッコかわいい】をモットーに男前すぎず、かわいらしすぎないテイストで描く。レッスンは【丁寧】をモットーに、生徒さんのなりたい方向へ導く指導を心がけている。



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